人の体には、異物の侵入に対して体を守ろうとする免疫システムが備わっていますが、これが過剰に反応することをアレルギーと呼んでいます。抗原抗体反応といって、体に異物(抗原)が侵入すると、それに対抗する物質(抗体)を作る働きが人の体には備わっています。この反応が、人の体にとって都合が良い場合、これを免疫と呼びます。逆に、抗原抗体反応が不都合な結果となる場合、これがアレルギーです。
アレルギー反応は、起こす人と起こさない人がいます。抗原抗体反応を司る抗体は、5種類の免疫グロブリンというタンパク質から成りますが、アレルギー体質の人は抗原に対して、IgEという抗体を作ります。例えば花粉症ですが、花粉の抗原に対して、IgE抗体が結合し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出し、これが神経や血管を刺激して、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を引き起こすのです。
花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などはアレルギー性疾患のグループに入ります。牛乳や卵に対する食物アレルギー、うるしに対するかぶれ、なども含まれます。
近年、我が国では、アレルギーは増加傾向にありますが、排気ガス、ハウスダスト、ダニなどの環境変化、日常生活でのストレス、食の欧米化によるタンパク質過剰摂取、食品添加物の氾濫などが背景にあります。ふだんの生活の中で、充分且つ快適な睡眠、バランスの取れた食事、こまめな清掃に心掛けましょう。
当院ではアレルギー性疾患を考えた場合、詳しくお話を伺い、必要な血液検査、パッチテストなどを施行させていただきます。また重症もしくはさらなる検査が必要な場合は、大学病院への紹介もおこなっております。お気軽にご相談ください。